
この記事は、
「WACA(ウェブ解析士/SNSマネージャー/ウェブ広告マネージャー)
Advent Calendar 2025」の19日目の記事です。昨日はrainell(らいねる)さんの「上級ウェブ解析士に合格したので、その振り返り」でした。
ウェブ解析士・上級SNSマネージャーで、WACAにアクセシビリティを広めていこ委員会(非公式)会員のいずいずこと、山本和泉です。
アクセシビリティのことを、気づけば20年以上言い続けています。
それでも、ウェブ解析士や、それ以外の場面でも「いずいず、ごめん! なんど聞いてもアクセシビリティって、正直やる意味が分からない」そんな声を聞くことがあります。
……これは、完全に私の力不足です。
とはいえ、もし「アクセシビリティは自分の仕事じゃない」と感じているとしたら、
それはたぶん、「自分が見ている範囲」が少し狭くなっているサインのひとつなんじゃないかなぁって思っています。
今日は、ウェブ制作だけでなく、コンサルティングやマーケティングに関わる方にも向けて、「あらためて、アクセシビリティを知っておく意味があるよ」というお話をさせてください。
- アクセシビリティは、数字改善の施策として見えにくい
- クライアントはアクセシビリティを含めて求めている
- アクセシビリティの問題は、数字に出てこない
- クライアントは「原因」に気づけない
- それってUI/UXの話では?と思った方へ
- Googleも「使いやすさ」を前提にしている
- ウェブ解析や改善のためにも、アクセシビリティを
- 【補足】具体的なチェックポイント例
アクセシビリティは、数字改善の施策として見えにくい
たしかにアクセシビリティは、数値改善の施策としては見えにくかったりします。
だから「やる意味がよく分からない」と感じてしまうのもわからなくはないですが、2025年の時点でウェブ解析士やマーケターなどがそれを理由に完全スルーしてしまうのは、少しもったいない気がしています。
「やる意味がわからない」と判断して、知らないことで商機を逃したり、クライアントを困らせてしまっている可能性があるということに気づけないままになってしまっているかもしれません。
クライアントはアクセシビリティを含めて求めている
ここ数年、多くの企業がアクセシビリティに関する情報を積極的に求めるようになってきました。
「対応していくのが当たり前」という前提で動いていたり、要件定義に「アクセシビリティ」の言葉が入る企業が確実に増えています。
そんな中で「分からない」「知らない」状態のままでは、仕事への信頼や依頼が、少しずつ減っていくこともあるかもしれません。
アクセシビリティの問題は、数字に出てこない
アクセシビリティに関する問題は、多くの場合、解析の数字として表に出てきません。
- 読みにくい
- 見えにくい
- 使いづらい
こう感じたユーザーは、クリックやスクロールをする前に離脱します。
その結果、
- イベントは発火しない
- 行動データが残らない
- 解析上は「何も起きていない」
という状態になっています。
問題は起きているのに、数字には出てこない。これが、アクセシビリティの問題が「問題として扱われにくい」理由のひとつです。
数字に出てこないところで、何が起きているかを想像できるかどうか。そこも含めて、解析の仕事だと思っています。
クライアントは「原因」に気づけない
クライアントから、「最近、反応が落ちていて…」という相談を受けている方も多いと思います。
でも、その原因がアクセシビリティだと気づいているケースはほとんどありません。
結果として、
- デザインを変える
- コピーを変える
- 導線を調整する
といった、教科書通りの改善を繰り返すことになります。
でも、なかなか数字が改善されない。そんな状況、心当たりはないでしょうか。
それってUI/UXの話では?と思った方へ
ここまで読むと、「それってアクセシビリティっていうか、UI/UXの話では?」と思う人もいるかもしれませんね(いるいるー!)。
でも、アクセシビリティはUI/UXと切り離された別物ではなく、UI/UXを成立させるための"前提条件"です。
そもそも、読めない・見えない・操作できない状態では、体験(UX)ができないのだから。
Googleも「使いやすさ」を前提にしている
アクセシビリティは、特別な配慮ではありません。Googleも公式に、誰にとっても使いやすいコンテンツであることを前提とした考え方を示しています。
ここで言う「誰にとっても使いやすい」とは、
- 迷わず読めて
- 無理なく理解できて
- 必要な行動ができる
状態のことです。
重要なのは、これが「SEOの小手先のテクニック」ではなく、ユーザー体験そのものをどう設計するか、という話だという点です。
もう一度いいますね。UI/UX の前の「まず情報にアクセスできている」ということが重要なんです。
ウェブ解析や改善のためにも、アクセシビリティを
ウェブ解析士が、アクセシビリティをすべて実装する必要はありません。
ただ、「この数値、使いづらさが影響していないかな?」と考えられるだけで、提案の視点はぐっと広がります。
アクセシビリティの知識は、優しさの話ではなく、数字を正しく読むための重要なものでもあるんです。解析の引き出しのひとつとして、持っておく必要がある知識だと思います。
【補足】具体的なチェックポイント例
アクセシビリティの観点を解析に取り入れる際の、簡単なチェックポイントをいくつか挙げておきます。
テキストの読みやすさ
- 文字サイズは十分か(最低でも14px以上)
- 行間は詰まりすぎていないか
- 背景と文字のコントラスト比は足りているか(WCAG基準で4.5:1以上)
操作のしやすさ
- タップ・クリックできる領域は小さすぎないか
- リンクやボタンだと見た目で分かるか
- キーボードだけで操作できるか
情報の伝わりやすさ
- 色だけで情報を伝えていないか(この話またどこかでしたい)
- 画像に代替テキスト(alt属性)があるか
- エラーメッセージは具体的で分かりやすいか
これらは特別なツールがなくても、目視や簡単な操作で確認できるものばかりです。
数値が伸び悩んでいるページがあれば、こうした視点でチェックしてみると、新たな改善の糸口が見つかるかもしれません。
疑問や不安、質問があれば、いつでもお気軽にお問い合わせしてください。お待ちしています。
……というわけで。
ちなみに、
WACAにアクセシビリティを広めていこ委員会、非公式でやってます(※今のところ私と、あと3人ぐらい)。
もし「それ、いいね」と思ったら、今日からあなたも会員です。ぜひ!
WACA会員でなくても、アクセシビリティについて疑問や不安、質問があれば、いつでもお気軽にお問い合わせしてください。
お待ちしています。
明日は八木暁史さんの「街遊び「GloveStoryWalk」開発裏話」です。お楽しみに。